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動物園だより

動物園だより : NO.208

オランウータンの健康を守るため、ハズバンダリートレーニングに取りくんでいます

オランウータンの健康を守るため
ハズバンダリートレーニングに取りくんでいます

野生のオランウータンはインドネシアとマレーシアのボルネオ島とスマトラ島という赤道付近、熱帯雨林気候の地域に棲息。
当園のボルネオオランウータン「ハッピー」は日本の動物園生まれですが、冬には鼻水がでて風邪のような症状が見られることがあります。しかし動物はしゃべらない、そしてがまん強いので、体調がわからないことがあります。毎日「ハッピー」の行動・食欲・便の状態を観察しますが、飼育係が変だなと感じても、それだけの情報では獣医も対処できないことが多々あります。
そこで「ハッピー」と1年前からハズバンダリー・トレーニング(受診動作訓練:受診姿勢の保持、診療機器、診療行為への馴化)を開始。
これは体調管理や診療が必要な場合に動物が対応してくれるように、飼育係が日頃から、檻や柵越しに危険が無い状態でトレーニングすることで、動物とコミュニケーションできるように習慣付ける方法です。
この一年の取りくみで、体温測定(20秒予測式)やお腹の触診・口のなかのチェック・爪切り・肛門や背中のチェックなどができるようになりました(写真)。
ハッピーの体温はいつも37°前後。測定できるようになってから一度も大きな変化はありませんが、もしも鼻水など風邪の症状が出た時、体温が上昇するのか確認することができると思います。また注射の練習や聴診器を当てる練習も行っていて、獣医の診療が必要な場合にそなえています。
このトレーニングは、正しい行動ができた時はほめて、大好物の食べものをあげることをくりかえします。ハッピーは大好物を食べながら、少しずついろんなことを学習しています。12時からの「チンパンジーの知能実験」の時など、隣のオランウータン展示場でおこなうこともあるので、「ハッピー」のがんばっている姿をごらんいただけるかもしれません。
(飼育課 郡 健一郎)

平成27年10月26日