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動物園だより

動物園だより : NO.239

5月19日にチンパンジーのギンが沖縄の動物園へ移動しました

5月19日にチンパンジーのギンが沖縄の動物園へ移動しました

沖縄の動物園「沖縄こどもの国」で暮らすことになったチンパンジーのギン(オス・24さい)は、沖縄へ移動する出発前のトラックの中で「ホーホーホー」と大声でほえていました。トラックが出発し見えなくなるまで、その大声は聞こえました。
私はだんだんと小さくなる大声を聞いて、とても寂しい気持ちでいっぱいになりました。
ギンは1992年に当園で生まれ、私はギンの担当を10年間していました。

私たち人が、兄弟や親と結婚できないように、人以外の動物もやはり遺伝的な問題が生じないように、できるだけ配慮しなければいけません。
野生の動物は、自ら、育った環境や群れを離れたり、または新しいメンバーを迎えいれたりなどを自然におこないます。チンパンジーの場合、群れ内のメスが大人になると他の群れに移動します。野生にしたがって、本来はメスが移動した方が自然なのですが、諸事情がありオスのギンが移動することになりました。

沖縄で新生活するギンが、急に知らない人ばかりの環境だとかわいそう、少しでもストレスを軽くしてあげたいと、沖縄こどもの国の飼育担当者が事前に3日間研修にきてくれました。
全国の動物園同士が協力して、こうした、繁殖を目的とした無償の動物の移動(ブリーディングローン)を、いろいろな動物を対象に行っています。
地球上には絶滅してしまうかもしれない動物がたくさんいます。チンパンジーも絶滅危惧種に指定されています。未来に残すにはどうすればいいか?動物園はそんな事を考えるところでもあります。

ギンは翌日の20日に無事に沖縄に到着したと連絡があり、ほっとしました。慣れない環境で緊張した状態が続くと思いますが、誰とでも仲良くできる性格をしています。今は遠くから気に掛けることしかできないですが、ギンが沖縄の環境に十分馴染んだら会いに行きたいなと思っています。(飼育課 郡)


2016年6月3日