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動物園だより

動物園だより : NO.563

~「秋の動物園だより」から~ 秋の獣医のお話

やがて来る寒い季節に備える〝変化〟の季節

飼育課 課長 河野良輝

 今年も暑い夏が終わりました。地球温暖化のせいか年々夏が暑くなっている気がします。動物園にいる動物には野生では暑い所にいるものも寒い所にいるものもいます。当園ではあまり寒い所に住んでいる動物は飼育していませんし(ペンギンも南アフリカに住んでいる種を飼育しています)、ほとんどが日本生まれですが、それでもこの暑さには食欲をなくしたりぐったりしたりして体調を崩す動物もいました。今年は久しぶりに流れるプールを再開しましたが、動物たちも入れてあげたい気分になりました。

 さて、秋を迎え、動物たちにも過ごしやすい季節となりました。秋は動物にとって、やがて来る寒い季節に備える季節です。季節がある場所に住んでいる動物は、食料の乏しい冬に備えて栄養を蓄えます。よく食べて、皮下脂肪を増やし、体重が増えます。皮下脂肪には断熱性もあるので寒さ対策でもあります。また毛換わりをする動物もいます。夏の風通しの良いサラサラした毛から、空気を蓄えて断熱性のある密な毛に換わったりしますとそれだけで雰囲気がかなり変わります。このようなちょっとした動物たちの変化に気づくのも動物園の楽しみ方ではないでしょうか。

 動物の健康について日々注意を払っている私たちとしては、夏に一番気をつけるのは熱中症ですが、これからは呼吸器系の感染症に特に気を遣います。新型コロナは季節が関係ないような感じですが、人間でもインフルエンザは特に冬に流行します。動物にもそのように冬に流行する呼吸器感染症が多くありますが、特に注意を払うのは高病原性鳥インフルエンザです。昨年の秋から今年の春にかけて、宮崎県では幸い農場における発生はありませんでしたが、その前の年に引き続き日本全国で猛威を振るい、ゴールデンウィークになっても発生が続くというかつてない状況でした。国内で発生があれば、鳥類の展示を中止したり、展示場をネットで覆ったりの対策を取っていますが、ダチョウなど対策が取れない動物もおり、気を揉んでいます。今季もまた状況により鳥類が見られなくなったりイベントがなくなったりするかもしれませんが、ご理解のほどよろしくお願いします。

2022年9月5日